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救急車の手配から緊急搬送まで!入院に必要な物のまとめ。

施設入所されている高齢者は、急激な体調悪化などにより緊急搬送が必要と判断された場合、救急車を要請し病院に搬送してもらう必要があります。

 

その際、救急隊員の方にスムーズな情報提供が必要となってきます。

 

一般の方をはじめ、日々介護の現場で働く方で

  • 救急搬送を経験したことがない。
  • いざと言う時に不安。
  • 具体的にはどんな手順を踏むのか?
  • 注意点はあるのか?

と感じておられる方は多くおられるかと思います。

 

今回は救急車の要請から救急隊員への情報提供までの流れをお話してゆきます。

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目次

最初に

いざという時に情報が上手く伝えられなかったり、救急車が到着後にトラブルがあったりと慣れないうちは非常にストレスに感じる緊急搬送。

 

『とにかく早く来て!』と叫びたくなる気持ちも解りますが、冷静になって考えてみて下さい。

私達にできる事はたかが知れているのです。

生命に関わる判断や指示を出す訳でもなく、やる事は

  • 救急車の要請
  • 救急隊員への情報提供

の2つなのです。

 

緊急時に適切な表現でないかもしれませんが、大まかな流れを把握し

事務的に淡々と進める 

くらいの方がスムーズです。

救急車の要請

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まずは119番通報が必要となりますが、電話越しに緊急隊員から確認される項目があります。

電話を掛けてしまってからでは焦りもあり、上手く伝える事が出来ないかもしれませんので、落ち着いて情報を集約してから電話を掛けるのも良いでしょう。

 

電話で確認される事と順番としては

  1. 「火事ですか?救急ですか?」
  2. 「住所を教えて下さい。」
  3. 「どんな状態ですか?」
  4. 「電話をしている人の名前と電話番号を教えて下さい。」

の4点となります。

落ち着いて話せば5分もかかりません。

一通り話し終えたら

「すぐに向かいます。あと〇〇分で到着します。」

 と言われますので到着を待ちましょう。

 

それでは1~4までを少し詳しくお話します。

火事なのか救急なのか?

迷わず「救急車をお願いします。」と伝えましょう。

住所を伝える。

実際に救急車に来てもらう住所を伝えましょう。

早口になりがちですが、ゆっくりとはっきり滑舌良く伝えます。

注意点は「話す」ではなく「伝える」ことです。

患者はどんな状態なのかを伝える。

電話でのやり取りの際、ここが一番難しいかもしれません。

伝える内容としては

  1. 年齢と性別
  2. 経緯と現在の状態

この2点を簡潔に伝えます。

 

例として

◆年齢と性別 ➡ 85歳の男性が

◆経緯    ➡ 朝から高熱が続いており

◆現在の状態 ➡ 今は意識が朦朧としています 。

となります。

電話では詳しく聞かれないので、簡潔に伝える事が重要です。

電話をしている人(自分)の名前と電話番号を伝える。

自分の勤務先や患者との関係性と名前、電話番号を伝えます。

例として

「◯◯老人ホームの施設職員の△△です。」

「電話番号は✖✖✖✖です。」

 となります。 

注意点

電話を切り救急車の到着を待っている間ですが、緊急隊員から電話が掛ってくる事があります。

速やかに電話対応が出来る様に、携帯電話の番号を伝えておくなど環境によって使い分けが必要となります。

その際に確認される事は、もう少し詳しい病状などです。

 

また、搬送時は大きいストレッチャー(車輪付きの担架)で室内まで入る必要があるので、家具や医療機器などは出来る限り室外に出すなどしてスペースの確保に努めましょう。

救急隊員へ情報提供

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救急車が到着し、患者が救急車まで運ばれます。

ここが緊急搬送時の一番の山場です。

それでは実際に救急隊員に確認される内容をお話してゆきます。

現在の症状

改めて病状を確認されます。

電話で伝えきれなかった事などがある場合はしっかりと伝えましょう。

介護度または障害区分

現在の介護度と障害区分を確認されます。

緊急隊員は患者のADLの把握も必要なので、事前に調べておく必要があります。

認知症の有無と意思疎通の可否

意思疎通の可否を判断されます。

日常的に会話が成り立つのか?のレベルで良いので簡潔に伝えます。

認知症の種類や周辺症状も簡潔に伝える事が出来ればベストです。

麻痺と拘縮の有無

これも患者のADL把握の為です。

事前にしっかりと調べておきましょう。

既往歴(主な疾患)

既往歴をはじめ現在療養中の主な疾患や、緊急搬送に際して関係性があると思われる疾患を伝えます。

これも事前に準備が必要です。

 

疾患については過去の記事もご覧ください。

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日常的に使用する医療機器

在宅酸素(HOT)や酸素マスク(NIPPV)など生命維持に必要な医療機器がある場合は必ず伝えましょう。

個人的には切迫した場面では以外に一番忘れやすい気がします。

薬物によるアレルギーの有無

これまで数十回の緊急搬送に立ち会いましたが、1度だけ聞かれた事があります。

解らない場合は正直に伝えて大丈夫です。

緊急搬送に際しての確認事項

実際に付き添いをするのは誰か?を問われます。

  1. ご家族はいるのか?また連絡がついているのか?
  2. 同乗は誰がするのか?

ご家族に連絡がつかない場合や、まだ到着していない場合は

 

誰がどのタイミングで同乗するのか

 

を明確に答えましょう。 

問診の必要性

これらの確認事項は何故必要となるのでしょうか?

それは搬送先の病院を決める為の判断材料となるからなのです。 

 

実は救急車に乗り込んでから即座に出発!となるとは限りません。

救急隊員は問診の情報を元に搬送先の病院を選定しますが、

  • 受け入れが可能であるか?
  • 対応できる医師はいるのか?
  • そもそも病状に適応できる病院(標榜)であるか?

など、多くの条件下の中から適切な病院を探し当てる事も求められるのです。

 

ですから、問診で解らないことは絶対に適当に返事をしてはならないのです。 

 

私がこれらの情報を早く正確に伝える手段として、実際に緊急隊員の方から確認された項目を溜め続け、更に日頃から独自に利用者の情報を纏めた様式を更新していました。

そしていざと言う時は、その様式を緊急隊員の方にお渡しする事で時間の短縮と合理化を図っていました。

 

参考までに様式を掲載しますのでご覧ください。

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今回紹介した様式が正解とは限りませんが、備えあれば患いなしです。

自分が見やすい・解り易い・そして伝えやすい様式を準備しておくと良いでしょう。

実際にこの様式を全て記入して救急隊員の方にお渡ししたところ、殆ど問診はありませんでした。

知っておくと便利

ちょっとの事でも知っているのと知らないのでは大きく差が出る事もあります。

緊急搬送に関しても、ちょっとした便利な小ネタがあります。

搬送先の病院を伝える事ができる。(希望ができる)

予めご本人やご家族から万が一の時、「かかりつけの病院に搬送してほしい」と意向が示されていた場合は、その旨を緊急隊員に伝えましょう。

病状や病院の受け入れ状態にもより、100%聞き入れられるとは限りませんが事前にご本人やご家族からそういた話があれば伝える義務があります。

同乗せずに後から車で追いかける事ができる。

病院受診に付き添った職員の帰りの移動手段確保の為に申し出る事ができます。

これは100%ではなく、その場の状況や病状、また救急隊員の判断にもよります。

 

日中であれば公共の交通機関がありますが、夜間だった場合は、、、。

そうです、タクシーしかないんです。

しかもすぐにタクシーが捕まるとは限りませんし、そもそも受診先の病院からタクシーの手配が出来るとは限らないのです💦

 

ダメで元々ですが救急隊員さんに確認しましょう!

持ち物

救急車の到着は手配をしてから数分となります。

救急隊員とのやり取りも重要ですが、更に重要なのが病院に到着してからなのです。

病院では更に詳しい日常の様子や服用している薬の内容、既往歴などの聞き取りがあります。

こちらもスムーズに行えるように日頃からの準備や普段からのイメージが必要となります。

 

この項目では救急車への同乗~病院での聞き取りなどに必要な持ち物と注意点をお話してゆきますね。

医療保険

月初の外来受診時や医療費の精算時に必要な保険証は、緊急搬送時も必ず必要となります。

また、「◯◯◯医療限度額証明書」の様な当該地域の助成制度に当たる証明書も持参しましょう。

多くの場合、医療保険症と同じサイズで色違いのタイプとなっています。

診察券

搬送先の病院の診察券があれば持参しましょう。 

その他の保険証

介護保険症や障がい者手帳があれば念の為に持参しましょう。

また特定疾患などで医療公費負担となっている証明書の類は持参が必要です。

お薬手帳

搬送先の病院で必要となります。

施設入所されている高齢者の場合であれば薬局からもらう薬情報(A4)など、現在服用している薬が記載されている物を持って行きましょう。

業界ではお薬の情報を略して「薬情(やくじょう)」と呼ばれることが多いです。

 

これは病院の担当者に渡すと返って来ない事が殆どなので、出発前に写しを取っておくことをお勧めします。

施設で扱う個人ファイル 

搬送先の病院にもよりますが、個人情報を確認される事があります。

多くの場合は問診票の記入が必要となるので、患者の個人情報などは必然的に必要となります。

 

注意点として、問診票の他に「同意書」があります。

これは医療処置をはじめ、手術が必要となった場合に記入する必要があるのですが

 

同意書の記入はご家族(お身内)しかできません。 

 

救急車に同乗した場合は良いのですが、ご家族が直接病院に駆けつけるといった場合にはご家族の到着を待ち、記入してもらう必要があります。

 

「施設職員は代筆はできるが、同意はできない。」

 

これを覚えておきましょう。

日常的に服薬している薬

搬送の時点で入院となる可能性が高いと判断した場合、処方されている分の薬を一式持参しましょう。

そうしないと、一旦施設に取りに戻って病院に届けるといった二度手間が発生してしまします。

私はこれで何度か泣かされました💦

 

また、日常的に使用している医療機器なども忘れずに持参しましょう!

数日分の衣類やオムツ類

こちらも同じく搬送の時点で入院となる可能性が高いと判断した場合に持参しましょう。

病院により病衣やオムツ類が指定されている事がありますが、レンタル料や洗濯代、オムツ代は結構いい値段します!💦

 

もしも患者さんが生活保護受給者であれば経済的な負担にもなりますので、前もって施設が準備できるものは持参する事がベストです。

 

また洗面用具や義歯、ティッシュペーパーなど日常的に多用する物品も忘れずに。

私の経験上ですが、切迫した状況の中で一番忘れやすいのが履物なんです。

これがないと退院の時に

 

あっ( ゚Д゚)

 

ってなりますw

緊急搬送時の事務的な流れ

緊急搬送が日中であったり、夜間であっても提携先のクリニックが24時間体制である場合、各事業所などに協力を仰いで搬送先の病院に提出する書類の手配を行いましょう。

この項目では必要な書類をお話してゆきます。

診療情報提供所

現在の担当医が所属する医療機関に連絡を取り、作成の依頼をします。

これは現在の担当医から受診先の医師宛てに発行する書類です。

内容は

  • 診療中の疾患の状態
  • 服用中の薬
  • 緊急搬送の理由

などとなっています。

 

簡単に言うと、医師間での申し送り書だと思ってください。

いくら医師であっても、初対面であり尚且つ容体が悪化している患者の情報なしに適切な医療処置は出来ません。

これは搬送先の病院の医師が適切な医療ケアを行う為に、現在の担当医から「うちの患者よろしく!」の意思表示なのです。

 

これは場合にもよりますが、多くの場合は

  • すぐに作成し受診先の病院にFAX ➡ 後日、原本を郵送する。
  • 作成後、後日原本を郵送。

の2パターンがあります。

 

受診先の病院では、郵送先はどこの部署の誰宛なのか、またFAX番号や電話番号を必ず確認する必要があります。

(私の経験上、地域連携室の相談員に郵送する事が多かったです。)

 

そもそもですが、患者が施設入所の場合は担当医から緊急搬送の指示を得てからのスタートとなるので流れは提携先の医療機関の指示を仰いでも良いと思います。

看護サマリー

施設所属の看護師、または訪問看護事業所などの看護師が日常的に行っている医療ケアの内容が記入されています。

 

こちらも診療情報提供所とほぼ同じ流れで動く事が多いです。

緊急搬送の判断と指示は痰担当医の判断と指示となりますが、医療的な知識が豊富であり普段から医療面でのアプローチを行っている看護師が所属する部署や機関に先に相談し、看護師から担当医に連絡し指示を仰ぐパターンが多く、何より確実です。 

 

看護師 ➡ 担当医

 

の順で事を運べば情報共有ミスなども防ぐことが出来ますのでね(^^)

ご家族への連絡

緊急搬送の手配が済めば、ご家族にその旨を電話連絡し救急車に同乗して頂く様にお願いします。

先程お話した様に、 医療処置については施設職員は代筆はできるが、同意はできないで、ご家族同席の必要性をしっかりとお伝えします。

 

ご家族の居住地など、都合により救急車に同乗できない場合もありますが、その場合は搬送先の医療機関の名称と住所を伝え、出来る限り早く来てもらう様に働きかけましょう。

 

これは病院側としても、患者について確認したい事などがあればすぐに対応できる様に

 

「落ち着くまで一人は病院に残ってほしい、とゆうかその必要がある!」

 

からなのです。

 

また、ご家族の来院が遅くなればなるほど施設職員が病院に残る羽目になってしまいます。

(私は最長で6時間待った事があります💦)

介護の現場において突発的に一人が抜ける事はかなりの痛手なので、ご家族にはなるべく迅速に動いてもらいましょう。

搬送先の病院への連絡

予めご本人・ご家族の意向で搬送先の病院の指定があった場合、可能であれば連絡を取り受け入れが可能か否かを確認しましょう。

後で救急車が到着した時に、出発までの時間を大幅に削減する事ができます。 

入院となった場合

利用中の介護保険サービス全般の把握を行うケアマネには速やかに連絡しましょう。

また、以外に忘れがちな薬局と福祉用具の事業所も同じくです。

(基本的には担当のケアマネさんが連絡してくれますが、この方がより丁寧です。)

その他、デイサービスなど患者が利用中の事業所には必ず連絡します。 

最後に

今回お話してきた救急車の手配~病院までですが、これらが正解とは限りません。

歴史ある社会福祉法人や大規模な事業所などでは

  • 職域・職責・職権が明確化されている。
  • それに伴いマニュアルが充実している。
  • 様式に無駄がない。

 など、更に実用的で合理的な手段やツールがあるかと思います。

 

私がこれらの流れの把握と様式の作成に至ったきっかけは

 

新設の施設にいきなり管理職としてほり込まれてめっちゃ苦労した( ゚Д゚)

 

からなんです💦

 

そんな経緯もあり、以上の流れは既に稼動しておりマニュアルが充実している事業所の方より、自分と同じ様な境遇の方に向けた記事だったのかもしれません。

 

何にせよ、今回の記事で緊急時の一連の流れをイメージしてもらえる様になれば幸いです(^^)

 

さて、事前準備の必要性について私が意識している事は、

祝い事は前もって解るが不幸事はその瞬間まで解らないなのです💦

 

いざと言う時の為に 

  • ご家族の連絡先の優先順位を決めておく。
  • なるべく早い段階での搬送先の病院、延命処置の意向を伺っておく。
  • 連絡と確認事項の項目化・書面化しておく。

これらの準備しておくことをお勧めします。

 

また、延命処置やムンテラ(看取りについての意向確認)は非常にデリケートな問題となります。

意向を確認するタイミングも大切ですが、私の場合ムンテラについて

 

利用者が「特定の人に聴いてもらいたい」のか「複数の人に聴いてもらいたい」のか

 

も考える様にしています。

 

人間は未来永劫、という訳にはいきません。

出来る限り毎日を穏やかに、そして出来る限り安心して最期を迎えてもらう。

 

今回お話しました救急搬送の流れの把握や事前準備については、一人の利用者が安心して寿命を全うするまでの素材となるのかもしれませんね。 

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